土地や建物を売却する際、普段は使わない専門用語が出てきたりします。
その中に、按分という言葉があります。
不動産における按分とは、土地や建物を分けて価格を出すことです。
マンションや一戸建てなどの不動産売却する際は、基本、土地と建物の価値を合計して広告などに価格を出します。
その際、同じ物件でも建物は消費税が発生し、土地には消費税が発生しません。
よって、土地と建物の価格の内訳により、不動産売却後に支払う各手数料や税金に差が出てしまいます。
按分は売却費用を正確に出すために必要です。
今回は、按分の計算方法はどのように求めるのか、具体的な方法と注意点をご紹介します。
按分の算定方法とは?
按分(あんぶん)を利用するケースは4つあります。
1、当事者同士で決める
2、売却時の固定資産税評価額を基にする
3、不動産鑑定士による鑑定価格を基にする
4、土地やマイホームを購入した際の価格と消費税から決める
当事者同士で決める方法は、売手と買手がお互いに相談し、正確な金額を出し、決定することです。
注意する点は、比率がどちらか一方に偏りすぎてしまうと消費税納税後に国から指摘が入る可能性も考えられます。
以下に具体的な例を挙げます。
●土地9割、建物1割
売手が有利に計算され買手が損をします。
●土地1割、買手9割
買手が有利に計算され売手が損をします。
比率に気を付けお互いに損が少ないように話し合うことが重要です。
当事者同士で決める場合は、お互い納得出来ないことも多くあります。
その際は、他の方法を考えましょう。
固定資産税評価額は、国税庁でも推奨されている方法のひとつです。
建物や土地の価値によって算出される評価額で、路線価を用いて割り出されます。
そのため土地と分けて評価できるので強みと言えるでしょう。
また、決まった計算方式で求められるので、売却する売手・買手が納得いく価格が提示できる場合があります。
たとえば建物の評価額が500万、土地1,000万円と毎年送られてくる固定資産税納付通知書に記されていたとします。
この場合、建物と土地の評価額を合算した金額で、建物の評価額を割ると、建物の評価額の割合が計算できます。
建物の評価額が500万円、合算した金額が1,500万円を計算すると約0.33です。
建物は33%、土地は67%となります。
不動産鑑定士といったプロに依頼する場合、鑑定のみで高額な費用が請求されます。
しかし、不動産のプロだけあって細部まで細かく建物の状況や土地の状況を見た上で評価してくれるため、納得しやすい価格が出てきます。
土地やマイホームを購入した際の価格と消費税から按分する方法とは?
売却する不動産を購入した際の価格などがわかる書類があれば、購入価格と消費税から逆算して按分率を計算できます。
たとえば購入時の価格が4,000万円、消費税が300万円だったとします。
【計算式】
●当時の消費税÷売却時点の消費税率=建物価格
300万円÷0.1=3,000万円
●税込み購入価格-建物価格-消費税=土地価格
4000万円-3000万円-300万円=700万円
このように算出できます。
計算時の注意として、多くの不動産購入価格は税込みのため土地価格を出す際は、消費税のことを考慮しなければなりません。
按分する際の注意点とは?
按分する際は「建物の価格をいくらにするのか」という注意点があります。
建物は課税対象、土地は非課税対象のため売手にとっては、土地の割合が多ければ助かります。
一方、買手側は消費税を後日控除できるので建物の比率を上げたいでしょう。
ここでもっとも重要なのは、根拠のない建物の価格にすると後々トラブルになる可能性が高くなることです。
消費税と減価償却費は根拠に基づくものを提示できるようにしましょう。
まとめ
不動産売買では、さまざまな専門用語がたくさんあります。
その中の按分とは、どのような意味合いなのか、計算方法をお伝えしました。
計算方式や消費税計算など細かい算定方法ですが、損しないためにも不動産売却の際はご自身でもしてみましょう。
ぜひ、この記事を参考にどのような按分が良いのか考えてみてください。
双方にとって気持ちの良い取引ができれば幸いです。
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